ダッチオーブン登場。
ダッチオーブンは見るからにおいしい料理ができそうな気がする。仕事場のキッチンで気まぐれに、重~いダッチをひっぱり出してくるたびにそう思う。料理下手でも失敗する気がしない。そう思わせてくれるのが漆黒の鉄なべの魅力である。
ましてや、この日はプロのシェフとダッチの熟練者が共演して作ってくれるメニューである。“おいしい”が前提で、あとどれ位の「おいしい!」がプラスされるか楽しみだった。
6月30日土曜日、親子ダッチオーブン料理教室(試食会)を開催。
開始の午前11:00から終了までの3時間、梅雨空がこのときだけ晴れてくれた。日射しはすでに真夏の強さである。炎天下に炭火で熱いダッチオーブン周辺は、雨上がりの湿度の高さが重なって全員汗だく。
「この際、暑いときは暑いままに大汗かいて、身体のなかをデトックス(解毒)しましょう」となかば居直って、水分補給の声をかけ合いながらはじまった。幼児から小学生までの子どもがいる12家族、約40名(大人と子どもが半々)が参加。場所はオーガニックショップ&レストランの伊都安蔵里(福岡県糸島市)駐車場。もちろん食材はオーガニックなものばかりとなる。
参加者のほとんどがダッチオーブンははじめての経験。こういうときはお父さんの目の色が変わってくる。炎とアウトドアギアが遊び心に火をつけるのである。
この日のメニューに“玉ねぎスープ”と“ひじき&トマトの炊き込みごはん”があった。玉ねぎスープは14インチのダッチに200cc程度の水だけで、サイコロ状に切ったベーコンと玉ねぎは丸ごと入れ、生姜とにんにくを少々。フタをしてじっくり2時間。“何かしたくても何もしないのをひたすら我慢する”のがポイント。スープは玉ねぎからしみ出る水分で、写真のようにはじめに入れた水200ccより増量になっている。味は玉ねぎのすっきりした甘みにベーコンの香り、生姜とにんにくの風味が加わり、シンプルなのに滋味ゆたかにでき上がっている。
ひじき&トマトの炊き込みごはんの方はというと、伊都安蔵里のシェフいわく、「まちがいなくおいしいです! 特にひじきが美味い。これは私にとってもクリーンヒットメニューです」とあいさつのときに宣言。
それではその結果を写真でご覧あれ。
この暑いなか、女の子はまだ足元がおぼつかない歩きなのに、ひとり思い立っておかわりしに来たのである。男の子は実に豪快に平らげ、急激過ぎたのか、一度吐いてしまったけれど、その後すぐに立ち直り、写真の食べっぷりである。子どもたちはコメントは発しないが、表情とおかわりで示してくれた。
どのレシピもいたってシンプル。ダッチの魅力に、いい食材、いい場の雰囲気などが重なり合ってサイコーにおいしい食卓が経験できた。にしてもダッチおそるべしである。
そして本日のイベントにただひとつ、欠けていたものがあった。これがあれば完璧であった。それはなにかというとキンキンに冷えたビールであった。
追伸
食材に使用した野菜はオーガニックパパの無農薬、無化学肥料の自然栽培の野菜たち。ひじきは大分県佐伯市尾浦の天日干しの寒ひじき。