● 有機JAS 関係

有機加工食品

有機JAS 規格の定義では、原材料の95%以上が有機原材料であり、かつその他JAS 規格で定められた製造時のいくつかの基準をクリアした食品。次に述べる3つの種類に分類される。

有機農産物加工食品

有機加工食品のうち、有機農産物由来の原材料が95%以上で構成されるもの。例えば、お茶、豆腐、ケチャップなど。有機JAS 制度上は、これらの製品は、有機○○、オーガニック○○と表示する際には、必ず有機JAS マークを貼付しなければならない。有機JAS マークのないものは違反となる。

有機畜産物加工食品

有機加工食品のうち、有機畜産物由来の原材料が95%以上で構成されるもの。例えば、牛乳やチーズ等。有機JAS 制度上は、この製品への有機JAS マークの貼付は任意であり、有機○○と表示する際に、有機JAS マークがなくても違反ではない。

有機農畜産物加工食品

有機農産物由来の原材料と、有畜産物由来の原材料の両方あわせて95%以上になるもの。例えば、バタークッキー、ミルクチョコレート、ロールキャベツなど。有機JAS 制度上は、この製品に有機JAS マークの貼付は任意であり、有機○○と表示する際に、有機JAS マークがなくても違反ではない。


● 加工方法

同種混合[どうしゅこんごう]

同じ種類の原料を混合すること。例えば、キャベツの千切りと、赤色のキャベツの千切りを混合した場合、同じ種類の混合となり、できた商品もキャベツの千切りであり分類は生鮮食品扱いになる。

異種混合[いしゅこんごう]

違う種類の原料を混合すること。例えば、キャベツの千切りに、もやしやにんじんを混合した場合、異種混合となり、できた商品は、ミックスされた野菜であり新しい性質の商品となり、分類は加工食品扱いになる。

共洗い[ともあらい]

原料に前の原料の残り物を混入させないための清掃方法。分解して洗浄できない機械や配管の場合で、使用後に清掃・洗浄しても前の物が完全に除去できたかどうか確認できないときに、次に生産する原料の最初の部分を、洗い出し用として使用し、製品に使用しない。有機の生産においては、非有機の生産の次に有機の生産を行うときに、非有機原料の混入を防ぐ対策としてとられる。パージ(purge)、押し出しともいわれ、米の場合は掃除米、犠牲米とも呼ばれる。

窒素置換[ちっそちかん]

商品の酸化を防ぐため、袋の中の酸素を窒素にいれかえること。有機の代表例ではお茶の袋詰めの際に窒素を充填し、酸素と窒素をいれかえることがある。


● 食品添加物関係

食品添加物

食品を加工する際に、加工をしやすくする、嗜好性をよくするなど様々な目的で使用される補助的な材料。

指定添加物

食品添加物に指定された添加物のこと。次に記載する既存添加物など一部を除き、化学的合成品や天然添加物など製造方法の違いに係わらず、厚生労働大臣が安全性と有効性を確認して指定した添加物でなければ、使用することができない。現在421 品目が登録されている(平成23 年9 月現在)。

既存添加物[きぞんてんかぶつ]

食品添加物のうち、古くから慣習的に使用されていて健康への影響の低いと思われものとしてリスト化されたもの。指定添加物のように安全性の評価をしないでリストに掲載されている。化学合成品は含まれず、以前は天然添加物と呼ばれていたもの。現在350 品目以上ある。但し、科学的に再評価し、安全性に問題があると判断されたものは削除されていく。
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ADI[エーディーアイ]

食品添加物を認可するにあたり利用される値で、一日許容摂取量のことである。ADI はAcceptableDaily Intake の頭文字をとった略称。その食品を一生涯毎日取り続けた場合、人間に健康被害がおこらないと考えられる1 日あたりの摂取量。動物実験をもとに、健康に影響を与えない量にさらに安全係数( 通常は100 倍) をかけ、また日本の食生活などを考慮して設定される。

無添加

食品添加物を使用しないで生産された商品。無添加の表示は、商品別の公正競争規約で規制されていることが多く、例えばみその公正競争規約では、大豆、穀類(米,大麦,はだか麦等)、食塩、種麹菌及び発酵菌以外の原材料、キャリーオーバー、加工助剤を使用したものについては「無添加」の表示が禁止されている。単に合成保存料等を使わなかっただけで無添加という表示はできない。

加工助剤[かこうじょざい]

食品を製造する際に、製造を補助する目的で使用される物質であるが、食品添加物と異なり、最終製品には全く残らないか、あるいはごく微量しか残らないでかつ製品に影響を及ぼさないもの。残らないので、表示の際に原材料としての記載義務はない。代表例は、醤油などのろ過剤(珪藻土)、豆腐の消泡剤(脂肪酸グリセリンエステル)など。


● 表示

一括表示[いっかつひょうじ]

加工食品の表示方法。すべての加工食品は、基本6 項目(名称、原材料名、内容量、賞味(消費)期限、保存方法、製造者(販売者))を、一括して表示されなければならない(一部例外あり)。

原料原産地

加工食品の原料の原産地のこと。表示義務があるのは、生鮮食品に近い加工度の低い22 食品群(例:ミックス野菜、衣のついた肉)と、漬物、うなぎ加工品等。

強調表示[きょうちょうひょうじ]

商品の優位性を強調する表示。JAS 法の品質表示基準においては、「国産トマト使用」「有機大豆使用」など、原材料に特色のあることを強調することをさす。健康増進法においては「塩分控えめ」「カルシウムたっぷり」など特定の栄養成分が他にくらべて多い(少ない)ことを表示することをいう。


● その他

ISO[アイエスオー、イソ]

International Organization forStandardization( 国際標準化機構)の略称。工業、農業、サービスなどさまざまな国際規格を策定するための民間の組織。品質のマネジメントシステム(ISO9001)、食品安全のマネジメントシステム(ISO22000)などを目的に事業者が守るべき規範が定められている。認証制度がある。トレーサビリティ一般に「追跡可能性」と訳している。食品の場合、その食品が生産、加工、流通する各段階において、履歴が明確にできること。農場から食卓までをつなげたトレーサビリティ(チェーントレーサビリティ)と、それぞれの会社などの生産段階での履歴を管理するトレーサビリティ(内部トレーサビリティ)がある。

Non-GMO[ノンジーエムオー]

遺伝子組み換え(GMO)でないもの、また遺伝子組み換えされた農産物原料が使用されていない食品のこと。ただし、一括表示では、「Non-GMO」ではなく、「遺伝子組み換えでない」と書かなければならない

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