ことばの図書館

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ことばは生きものです。
時代とともにいろいろな変化をみせてくれます。
そのサイクルが早くなっています。
古いことばがいきなりトレンド最前線に登場したり
造語で新しい価値をみごとに表現したり。
そんなことばの解説を分かりやすく、 また、あえて理屈っぽくもご紹介します。

SDGs(エス・ディー・ジーズ)
陰陽の基本 ①
在来種のこと ①
身土不二
スローフード
トレーサビリティ
バーチャルウォーター
フォードマイレージ
マクロビオティック(マクロビ)
味覚障害
ベジタリアン
ロハス(LOHAS)


SDGs(エス・ディー・ジーズ)

SDGs(エス・ディー・ジーズ)は持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals = SDGs)の略称で、2015年9月の国連サミットで採択された17の目標と169のターゲットからなるアジェンダ(行動計画)です。その成果文章「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ(通称:2030アジェンダ)」の柱として、世界共通の17のゴール(目標)、目標ごとの169のターゲットから構成されています。

国連に加盟している193の国・地域が2030年を期限に達成を目指すものです。

17の目標を紹介します。

1.貧困をなくそう 

あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ 

2.飢餓をゼロに

飢餓に終止符を打ち、食材の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する 

3.すべての人に健康と福祉を

あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する 

4.質の高い教育をみんなに

すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する 

5.ジェンダー平等を実現しよう

ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る

6.安全な水とトイレを世界中に

すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する

7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに

すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する 

8.働きがいも経済成長も

すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーゼント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する

9.農業と技術革新の基盤をつくろう

強靭なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業化を推進するとともに、技術革新の拡大を図る 

10.人や国の不平等をなくそう

国内および国家間の格差を是正する 

11.住み続けられるまちづくりを

都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする 

12.つくる責任つかう責任

持続可能な消費と生産のパターンを確保する 

13.気候変動に具体的な対策を

気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る 

14.海の豊かさを守ろう 

海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する

15.陸の豊かさを守ろう

陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る 

16.平和と公正をすべての人に

持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する 

17.パートナーシップで目標を達成しよう

持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

地球規模での温暖化などの気候変動の加速、経済競争が生み出した貧富の格差、紛争やテロの多発による難民の増加と飢餓、病気の蔓延・・・・・をなくす。

SDGsはこうした課題を「誰ひとり取り残さない」という理念のもとに決められました。国や大きな組織だけが動くのではなく、私たち一人ひとりが日常生活のなかで実践していくことで美しい地球にしていくという、国連が一人ひとり、個人に直接メッセージを送ったということです。実はそれくらい急を要する課題だということです。

日本でも2018年から企業でSDGsを掲げる動きが盛んになっています。学校でも子どもたちに教え始めました。2019年後半から社会的現象としてさまざまな動きが可視化されるでしょう。


[50音順]

 陰陽の基本 その①  陰陽のバランス

バランスの良い食事、と言ったときにまず思い浮かべるのは五大栄養素のバランスです。しかし東洋にはそれとはまったく別の考え方があります。それが陰陽のバランスです。食べ物には陰と陽の食べ物があり、そのバランスを取ることで体調を整えられます。

基本の考え方は陰性の食べ物には身体を冷やす働きがあり、陽性の食べ物には身体を温める働きがあるということです。暑い季節には酢のものがおいしく感じられます。これは酢が陰性であるため、暑い季節に身体を冷やそうとする本能が働くため、身体が欲するのです。タイ料理にトムヤンクンなど酸っぱい料理が多いのは理にかなっています。

日本の東北地方は伝統的に塩辛い味付けを好む傾向があります。これは寒さに備えて身体を温めようと、陽性の代表的な塩を欲するためです。

また、「秋茄子は嫁に食わすな」という言葉があります。これは夏ならまだしも徐々に気温が下がる秋に、これから子どもを産むであろう女性に陰性の強いナスを食べさせると身体を冷やしてしまい良くないという暮らしの知恵です。このように日常生活には陰陽の考え方がしっかりと受け継がれていました。

陰陽の考え方は古代中国で生まれた神羅万象を扱う陰陽学という哲学です。あらゆる事象は陰と陽に当てはめて考えることができます。たとえば夏は陽で冬は陰。男性は陽で女性は陰。陰と陽は互いに引き付け合い、陽と陽、陰と陰は反駁し合います。陰陽はつねに相対的なもので絶対的な陰、陽はありません。

陽のエネルギーは下降、収縮するエネルギーです。陰は上昇、拡散するエネルギーです。これを野菜に当てはめてみます。

地中深く伸びていく根菜は下降するエネルギーを持っていますから陽の野菜です。逆に上に向かって伸び拡がる葉物野菜は陰の野菜です。そして同じニラやネギのように真っ直ぐ上に伸びるものはより陰性が強く、キャベツのように丸くなるものは収縮するエネルギーを持っているので比較的中庸に近いといえます。

硬いものほど陽性で 柔らかいものは陰性。乾いたものは陽性で水分の多いものは陰性です。ですから同じ根菜野菜でも硬いゴボウはより陽性で、水分が多く柔らかいダイコンはゴボウより陰性となります。そして乾いている切り干し大根は生のダイコンよりも陽性です。

色でいうと一番陽性が強いのが黒で、次に赤。中庸が白で陰性は緑でもっとも強いのが紫です。ということは緑の葉物野菜はやや陰性で紫のナスは極陰性となります。ですから「秋茄子は嫁に食わすな」となるわけです。 中庸という言葉が出てきましたが、これは陰と陽のちょうど中間を示します。陰陽のバランスでいうともっとも安定している状態に近いことを意味しています。


在来種のこと その① 自家選抜と自家採種

自家採種とは、自分の畑で栽培した野菜の中から種取りをする野菜を自ら選抜(自家選抜)して、それから種子を採ることです。その種子で翌年また野菜を作ります。それを繰り返すことで、その土地にあった個性的な野菜が誕生します。とはいえ選抜の基準は農家によって違います。病害虫に強い、生命力がある、大きさなどさまざまです。

かつて長崎県島原の農家、岩崎政利さんを訪ねたとき、ニンジンを選抜していたので、「どうやって決めるのですか」と聞いたところ

「基準はありません。抜いた瞬間に決まっています。持った感じですかね。妙にピタッと合う感じ」と言っていました。

それから20年近く経っています。岩崎さんは今も現役ですから、その感覚には磨きがかかっているでしょう。その当時でもとびっきり元気でおいしい野菜を作っていました。

自家採種を始めた動機はと聞くと、「ニンジンを採っているとき、自分にしかないものを作りたい。ひとつだけ、自分だけのものを作ろうとフッと思ったんです」と語っていました。

「自家選抜で母本となるのは100本に1本の割合ですかね」

そして母本となったニンジンや大根たちは、畑の周囲のふちや土手、雑木林のなかなどとわざと条件の悪いところに植えられ、そこで育つものから採種します。

きびしさの連続の中で種子も環境に順応しつつ、自ら変わろうとします。そして2年、3年、4年と自家選抜、自家採種を毎年重ねるごとに野菜は良くなっていきます。 自家採種には環境によって自然交雑する問題がありますが、それは自然の豊かな多様性が維持できるという良い点でもあります。


身土不二

日本には「三里四方のものを食すれば病せず」と言いました。これは自分が住んでいる、生活している場所に近い所で獲れたものを食べる方が健康に良いということです。三里四方の広さはその日のうちに行って帰って来られる距離を意味しています。

身土不二(シンドフジ)という言葉もあります。人間の身体(=身)はその暮らす環境(=土)と二つに分けて考えることはできない(=不二)。密接に結びついているということです。この場合の環境は土地柄と季節の意味が含まれています。

寒い地方に育つ作物は、例えば蕎麦や高キビ(コーリャン)は寒さに耐えられるエネルギーを持っているので、それを食べると体にそのエネルギーを与えてくれます。だから寒い地方に住む人はこうした穀物を食べることで寒さに強い体を作ることができます。

日本は南北に長く沖縄と北海道では気候がまったく違います。

沖縄にはパパイヤを使った郷土料理がありますが、これは体を冷やす効果があります。暑い沖縄だからこそ、適度に体を冷やして健康にも良いわけです。

東北や北海道の寒い地域に住む人が秋や冬に沖縄の人と同じことをしたら体調を崩してしまう可能性があります。ただし真夏で有れば暑いのでさほど問題はないかもしれません。

日本は季節によって気候も獲れる作物も大きく違いますから、その作物が本来獲れる季節のことも十分に考慮した方がよいです。

一般に夏野菜は体をゆるめ、熱を放出する働きがあります。冬野菜は体を温める働きをするものが多くあります。また穀物では秋に実るお米と春に実る小麦を比べるとお米の方が体を温める作用を強く持っています。ですから秋冬にお米を食べ、春夏は麦飯やうどんを時には食べるのが体には良いといえます。

このように自然の摂理は巧妙にできています。その季節に獲れるものを食べることで健やかな体が保てるしくみになっているのです。

現在の日本は季節に関係なく一年中、同じ野菜、果物が手に入ります。また世界各国の珍しい食材も自由に手に入ります。日本の食は昔に比べるとはるかに豊かになったかのように見えますが、自然のサイクルを無視した食生活が体に良いとは到底考えられません。むしろ生活習慣病など様々な病気が増えているのは、こうした食生活が大きな原因のひとつとなっていると考えられます。

日常の食生活はできる限り、近くで獲れた旬のものを中心にした食事を心がけたいものです。 地産地消も身土不二に通じる意味が含まれています


スローフード

大量生産、大量流通で食の画一化を進めたファストフードに異を唱え、地元の食材を中心に食し、地域の豊かな伝統的食文化を守ろうとする考え方と運動です。

1986年、イタリア、ローマににマクドナルド第1号店が開店したのをきっかけに、伝統的食文化衰退の危機を感じた人々が「アルチ・ゴーラ」会を発足。

イタリアは20の州に分かれ、どの州も地元の食文化を誇る地産地消の国です。食材や調理法、食べ方に関してファスト(速い)は機械的に画一化され不自然であるとし、スロー(ゆっくり)な自然に立ち戻ろうという運動がイタリア北部のビエモンテ州ブラという町でスローフード運動としてはじまりました。

そして、NPO法人スローフード協会を設立。全世界に向けて「スローフード宣言」を発表しました。

その活動指針として下記の三つが掲げられた。

① 伝統的な食材や料理、食品、ワインを守る 

② 品質の良い素材を提供する小生産者を守る 

③ 子どもたちを含めた生活者に味覚教育を行う

食事くらいはゆっくり食べて、食の楽しみを味わい、その地域の食文化を知り、守ろうという生活に根ざした考え方といえます。それが有機(オーガニック)農業、健康ブームとも重なり世界に広がりました。

日本でも島村菜津氏の著書『スローフードな人生』の出版を機に一般に知られるようになり、2004年10月に正式にスローフードジャパンが設立されました。

ただ運動としてのブームは去り、スローフードということばも、あまり聞かれなくなりました。しかし、その考えは現代でも生きています。むしろ地産池消、地方創生、食育活動など、草の根活動としてより具体的に浸透しているともいえます。


トレーサビリティ

ここでは食品トレーサビリティについて説明します。

「食品の移動を記録し把握できること」を意味します。野菜や肉など食品の生産、加工、流通過程の情報をさかのぼって追跡でき、栽培環境や栽培状況を肥料や農薬の種類、使用状況など知ることができることです。

BSE発生や偽装食品表示事件など食品事故が発生した場合、製品回収、問題解決を迅速にするシステムです。農業、畜産業、漁業、製造・加工業、卸売業、小売業、外食・中食業編と実践マニュアルがあります。

牛肉の場合は2003年に施行された「牛肉トレーサビリティ法」によって、牛の「個体識別番号」の表示が義務づけられています。これはBSE問題で話題となった「牛海綿状脳症」の被害を抑えることなどが主な目的です。スーパーなどで販売されているパック商品のラベルに表示されているURLにアクセスすると購入した牛の生産履歴をパソコンや携帯電話で詳しく調べることができます。 そして加工食品でも大手スーパーや百貨店などの要望で広がっています。生産者から消費者の食卓までをつなぐ“顔の見える関係”のひとつといえます。


バーチャルウォーター

野菜や果物を栽培するには水をあげないと枯れてしまいます。雨が少なければ川の水や地下水を汲み上げて散水します。食べ物をつくるにはたくさんの水が必要です。食べ物以外の工業製品の製造にも大量の水が必要です。こうしたことに必要と思われる水のことをバーチャルウォーター(仮想水)といいます。

日本は食べ物を作るための農業用水(灌漑用水)に年間約550億立方メートルの水を使っています。しかし日本の食料自給率は38%で62%を輸入しています。その輸入する食料を作るために日本は輸出国の水を膨大に使っていることになります。

ちなみに私たちが台所、お風呂、洗濯で使う生活用水は飲み水の100倍だそうで、一人分の食料生産に必要な水は、一人分の飲み水の1000倍に当たるそうです。

また肉や卵、牛乳を得るためには家畜の餌となるトウモロコシなどが必要で、それらを作るにも大量の水が使われます。1キロの米には約4トンの水、それに比べて牛肉1キロをつくるには20トンの水が必要だといわれています。私たちが肉を食べれば食べるほど大量の水が使われることになります。

最近欧米で菜食主義のヴィーガン(*ベジタリアンの用語解説参照)が広まっていますが、動物愛護の考えだけでなく、CO2排出とバーチャルウォーターによる環境破壊への影響を危惧した意識の現われでもあります。

第二次大戦後、フランスのドゴール大統領が「食料自給率が100%ない国は先進国とはいえない」と言ったそうですが、自国民の食を自国でまかなえないのは先進国とはいえないという意味なのでしょう。

現在ではそれ以上に先進国は環境を破壊しないために肉食を抑えて、大豆ミートなどの植物性ミートにかえるべきだということになりそうです。


フードマイレージ

今の日本は世界中の食べ物があふれています。それら全てが生産国から長い距離を経て運ばれています。国内でも東京や大阪の大都市圏なら九州、北海道の野菜や魚が空輸され、採れたその日のうちに食卓やレストランのテーブルに並べられます。グルメな人にはとても便利で食の楽しみは尽きません。しかしその一方でその輸送に膨大なエネルギーを消費しています。食料輸送に伴う過度のエネルギー消費は地球温暖化など、環境に悪影響をもたらしています。

畑や漁場の生産地から食卓まで食料を運ぶ輸送距離をフードマイルといい、その輸送にトラックや飛行機を使います。その時にエネルギーが消費され、排気ガス(CO2)が排出され環境を汚染します。その食料輸送が環境に与える負荷の大きさを表す指標をフードマイレージといいます。

 輸送距離もさることながら輸送手段によってエネルギー消費量、CO2排出量に大きく差がでます。たとえば飛行機1機でのCO2の排出量を比べるとトラック6台分、船40隻分、鉄道貨車30両分に相当します。

 飽食の日本では高級食材をわざわざ遠くから空輸し、その新鮮さや希少性を誇っているニュースをかつてはよく見たものです。そして日本人が大好きなマグロは遠洋で捕獲され4000~5000キロもの距離を運ばれてきます。また地中海のイタリア沿岸で捕獲したマグロは空輸で輸入しています。耳の痛い話ですがエネルギー消費量とCO2排出量は膨大です。

日本は食料自給率が38%と低く、先進国の中で最下位です。そして輸入に頼っていますから世界でもトップのフードマイレージ消費国です。

もっと食品残渣を減らし、地産地消、食料自給率アップを考えたいですね。


マクロビオティック(マクロビ)

マクロビオティックの食事は美容やダイエット、病気予防にも効果があるといわれ、数年前には多くの女性誌でも特集され、各地のマクロビ料理教室も大盛況になるブームがありました。そしていまは定着している感があります。

マクロビオティックはマクロ=MACRO=大きい、ビオ=BIO=命、ティック=TIC=術をつなげた用語で「大きい視野で生命を見る」という意味です。1930年代に桜沢如一(ユキカズ)氏が提唱した食事療法です。

実践内容は、玄米正食を基本に身土不二(住んでいる地域、国産の旬の食材を食べる)、一物全体(皮もむかず丸ごと食べる)、陰陽調和(食物の特性と季節、体調に合わせバランス良く食べる)、よく噛む(一口30回を目標)、腹八分(食べ過ぎない、適量を食べる)の五つを柱に無農薬・無化学肥料、化学合成物質無添加の食材摂取を基本としています。

そしてメニューは穀物(特に玄米)を主食にみそ汁、漬物、煮物など季節の野菜を使った料理が基本で、洋食が普及する前の日本人が日常食べていた食事です。

現在、日本よりもヨーロッパ、アメリカで広く普及しているイメージがあるほどで、マドンナ、トム・クルーズ、故ジョン・レノン、故スティーブ・ジョブスをはじめ、多くの著名人、モデル、女優などのセレブに現在も人気の食事法として知られています。

また、戦後アメリカに渡り、世界平和実現のためにマクロビオティックの普及に生涯を捧げた故久司道夫氏はアメリカの文化に貢献した人物として日本人で唯一、1999年アメリカ歴史博物館(スミソニアン歴史博物館)に殿堂入りを果たし、その業績を永久保存されています。それほどアメリカ、ヨーロッパではマクロビオティックは知られています。それは今の日本食ブームの一端を担っているともいえます。

ベジタリアン、ヴィーガンに通じる要素も多くあります。


味覚障害

食べ物の味が薄く感じる、微妙な味の違いがわからなくなるといった症状です。また口の中に何もないのに塩味や苦味を感じたりする味覚異常も味覚障害の一種です。高齢者に多くみられます。

また味覚感度の低下に気づかないまま塩分や糖分を摂りすぎてしまい、生活習慣病を引き起こす可能性が高くなります。

味覚は酸味、甘味、塩味、苦味、そしてうま味の五種類ありますが、舌の表面の味覚を感知する「味らい」の機能低下によるものです。その原因はさまざまですが栄養バランスの乱れによって、血液中の亜鉛が不足するのがその主な原因のひとつです。亜鉛不足は加齢、ドライマウスによって起きますが、若い世代でも亜鉛を排出してしまう添加物を多く含んでいる加工食品やファストフードの食べ過ぎ、偏った食生活などで味覚障害を引き起こす人が増えています。

亜鉛が多く含まれている食材はカキやカニなどの魚介類、牛肉やレバー、乳製品、海藻類、豆類などです。積極的に摂取したいですね。

そして、外食や中食は比較的濃い味付けが一般的です。これに慣れ過ぎると本来微妙な味でも感じる味覚感度が麻痺してしまい味覚障害になってしまう怖れもあります。特に子どもは味覚が敏感な時期です。いろいろな味を経験できるように注意してあげたいですね。


ベジタリアン

最近、普通に日常会話でもよく耳にするようになった「ベジタリアン」。少し前までは、「ベジタリアン=肉を食べない 菜食主義者」の意味に禁欲的、ストイックなイメージを抱いていた人が多かったのではないでしょうか。それが宗教や思想的主義からではなく、美容・健康に野菜中心の食事が良いという考えと食事法が浸透しはじめると、同時に「ベジタリアン」のストイックなイメージが薄れてきたように感じます。

ただ身近な人で野菜を多く食べるように心がけてという人は増えていますが、「私はベジタリアン」と公言する人はまだ少なく、「草食系、肉食系」という表現などですみ分けして、ソフトランディングしているように感じます。そして今後は「ベジタリアン」は美容・健康志向に、食の安全、貧困や環境問題への気づきと価値を加えながら、さまざまなスタイルで確実に増加するでしょう。

それは言葉の意味、使い方、イメージも変化することを予感させます。

ベジタリアンの定義

「ベジタリアン」とは肉や野菜などの動物性の食べ物を摂取しない、食べないで穀物、野菜、豆類などの植物性食品中心の食生活を送る菜食主義の人たちです。

「ベジタリアン」は英語で「vegetarian」と表記します。「健康な、新鮮な、元気のある」という意味のラテン語の「vegetus」 に由来しています。

1847年、イギリスでベジタリアン協会が発足し、そこで使われたのがはじまりです。

「vegetable=野菜」の意味からではありません。とはいえ「vegetable」は「vegetus=活力ある」と「able=できる」の造語といわれているので間接的には由来関係はあるといえそうです。

そして「ベジタリアン」は宗教信仰や本人の主義によって、食事の摂り方によりさまざまな種類があり、厳密には個人個人で違うともいえます。ここでは「ベジタリアン」を食べ方で12種類に分類し、紹介します。

1 ノン・ミート・イーター(non meat eater)

動物の肉だけを食べない人です。皮、脂、卵、乳製品、魚は食べます。動物の肉は体に悪いと考えています。

2 セミ・ベジタリアン

肉を積極的には食べない人です。ときおりベジタリアンになるということで「フレキシタリアン」ともいいます。

3 ラクト・ベジタリアン

肉、魚、卵は食べず、乳製品や蜂蜜は食べます。ラクトは乳製品を意味しています。インドでは「ピュアベジタリアン」といいます。

4 オポ・ベジタリアン

肉、魚、蜂蜜は食べず、卵は食べる人です。オポは卵を意味します。

5 ラクト・オポ・ベジタリアン

肉、魚は食べず、卵、乳製品は食べます。欧米のベジタリアンに多いタイプです。

6 ベスコ・ベジタリアン(ベスタリアン、ベスキタリアン)

工業製品は摂らないオーガニックで、肉、卵、乳製品は食べない人です。しかし魚は積極的に摂ります。「魚菜食」といわれます。

7 ポゥヨゥ・ベジタリアン

肉は鶏肉だけを摂り、それ以外は制限をしない人です。

8 ホワイト・ベジタリアン

赤身の肉は食べず、白身の肉は食べます。「ポゥヨゥ・ベジタリアン」とほとんど同じともいえます。

9 オリエンタル・ベジタリアン

動物性のものは一切食べない人です。そして五葷(ごくん)という韮、らっきょう、大蒜、葱(玉葱含む)、朝葱の5種類の植物も食べません。仏教の影響が強く、また台湾の精進料理に似た考えの食事です。

10 ヴィーガン

肉、魚、卵、乳製品、蜂蜜などの動物性のものを一切摂取しない完全菜食主義の人です。そして、食だけでなく、動物愛護の考えで衣食住の生活全般においても動物性のものを使用しません。

11 ダイエタリー・ヴィーガン

食は完全菜食主義のヴィーガンですが、食以外では動物性のものを利用しています。たとえば皮の財布などの皮製品などです。

12 フルータリアン

フルーツや木の実(胡桃、ナッツなど)しか食べない人です。 上記以外にもマクロビオティックのマクロビアン、ローフード、アーユルヴェーダ、ハラール、グルテンフリーなど、さまざまな食べ方や考え方があります。


ロハス(LOHAS)

ロハス(LOHAS)とは、Lifestyle of Health and Sustainabilityの略です。健康で環境に負荷を与えない持続可能性に配慮したライフスタイルを指しています。

LOHASは1990年代の後半にアメリカの中西部、コロラド州ボールダー周辺で生まれた新しいビジネス・コンセプトです。ボールダー周辺には、地球環境問題や農薬汚染の問題に危機意識を持ち、オルタナティブな生き方やLOHASな事業を始めた人たちが誕生しました。

そして国の政策と地球環境の持続性に危機感を持つ、社会企業家やクリエイティブな人たちがビジネスを通じて新しいパラダイムの創造を志しました。これがLOHASの源流です。

ロハスは五つのカテゴリーから構成されています。

1 持続可能な経済: 再生可能エネルギー、環境マネジメント、省エネ製品 etc.
2 健康的なライフスタイル: 天然・有機商品(食品・衣料など)、サプリメントetc.
3 代替医療: 鍼灸、ホメオパシー、予防治療、全体治療、補完医学 etc.
4 自己開発: ヨガ、ダイエット、「SPIRITUAL」な製品・サービス、瞑想・座禅 etc.
5 環境に配慮したライフスタイル: エコ住宅、環境負荷の低い電化製品、エコツーリズム etc. 

(資料提供:NPO法人ローハスクラブHPより引用)

2004年から数年間、日本でも一大ブームが起き、様々なメディアで特集が組まれました。ブームは去りましたが健康(Health)、持続可能性(Sustainability)は現在も重要なキーワードとして重要視されていますし、考え方はいまも継がれています。

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