・Chapter1:仕入れ方法について
・Chapter2:オーガニックメニューについて
・Chapter3:オーガニック情報について
・Chapter4:オーガニックビジネスについて
Chapter1:仕入れ方法について
Q1:オーガニック野菜を定期的に仕入れする方法はありますか?
A:あります。該当する流通業者、生産者は種類、量、仕入サイクル、デリバリー拠所などの条件によってさまざまですが、可能です。
Q2:オーガニック農家との提携は可能でしょうか?
A:可能です。直接提携をご希望の場合は、まずいくつかの生産地を直接訪れ、生産者本人との面会や圃場の見学から始めることをおすすめします。
Q3:いろいろな種類のオーガニック野菜を仕入れする方法はありますか?
A:販売形態にもよりますが、契約農家の軒数が多ければ、少量多品種で仕入れることは可能です。
Q4:直接農家で購入することは可能でしょうか?
A:可能です。ただし定期購入でない場合はコンスタントに商品を確保することはより難しくなります。
Q5:オーガニックの場合、季節ごとに仕入れ先を変更しなければならないのでしょうか?
A:契約する農家の規模や形態によります。また複数の農家との契約でも事前に作付計画を立てることで、仕入れ先変更のリスクを軽減できます。
Q6:業務用に宅配をするオーガニック会社はありますでしょうか?
A:あります。詳しくは『オーガニック電話帳』の「流通編」をご参照ください。
Q7:西洋野菜のオーガニックを入手する方法はありますか?
A:あります。
Q8:調味料の定期購入は可能でしょうか?
A:可能です。
Q9:できる限り近辺から購入したいと考えていますが全国にオーガニック農家はあるのでしょうか?
A:都道府県によって軒数の差はありますが、47都道府県にあります。
Q10:オーガニック農家を取りまとめている組織はありませんでしょうか?
A:あります。農家同士が生産、流通協力をしているグループや、問屋、卸しなど流通機能を持ち、農家をネットワークした企業もあります。
Q11:オーガニック農家は農薬を使用しないため気候変動により収穫が不安定のように感じますが安定供給は可能なのでしょうか?
A:オーガニック農場の軒数はその絶対数が少ないため、安定供給は難しいと考えるのが妥当です。ただ気候変動により収穫が不安定というのは、自然条件によって収穫の時期(旬)が断定しにくいというのは自然の流れです。むしろ気候に関係なく、安定供給できるという方が不自然という考え方もあります。
Q12:収穫量で毎年、価格変動は大きくなりますか?
A:オーガニック野菜は市場を通しての相場システムではなく、生産者が直接買い手と契約で決めているため、価格は安定しています。
Q13:果物のオーガニックを探す方法はありますか?
A:あります。ただ野菜やお米に比べて果物のオーガニック認証されたものはさらにその絶対数が少ないので、特別栽培も候補に考え、一緒に探す方が良いでしょう。
Q14:有機米は予約が多いと聞きましたが、予約しなければ購入できないものでしょうか?
A:有機米といっても、その人気のレベルはさまざまです。早くから予約が殺到している農家もあれば、スーパーなどで野菜より手に入れやすい場合もあります。
Chapter2:オーガニックメニューについて
Q1:オーガニックメニュー取り入れたいと思っています。オーガニックとしてお客さまに提供する場合は、基準があるのでしょうか?
A:基準はありません。ただお客さまには情報を正確に伝えることがマナーだと考えます。そのメニューの食材の何がオーガニックなのか説明することが大切です。
Q2:海外のオーガニックレストランは日本と比較してどのような状況でしょうか?
A:アメリカ、EU諸国はオーガニック先進国ですが、それに比例してオーガニックレストランも、日本に比べ質、量ともにレベルが高いと言えそうです。オーガニックレストランの法的な基準はまだありません。
Q3:オーガニックメニュー開発のヒントになるような情報を提供するサイトなどはありますか?
A:オーガニックメニュー開発の専門サイトはありません。
Q4:オーガニックレストランになるには、クリアーしなければならい基準はありますか?
A:法律的にはありません。一般的には食材はオーガニック、特別栽培で、調味料類はオーガニックを基本に使用していることになります。何を使用しているかの情報が分かるようになっていることがマナーだと考えます。
Q5:マクロビオティックとは基本的にオーガニック料理法と考えていいのでしょうか?
A:マクロビオテックでは、本来は無農薬、無化学肥料の食材と調味料を使用することが前提です。そういう意味では、オーガニック料理法の一つと言えます。
Q6:オーガニックは基本的に女性向けメニュー?
A:違います。ただ美容、ダイエットに効果のあるマクロビオテックやローフード、ベジタリアン料理など、女性向けにメニュー提案されているものが多くあります。その効果は男性も同じです。また予防医学的にも男女ともに料理メニューは同じです。
Q7:オーガニックメニューで採算はとれるのでしょうか?
A:採算については分かりませんが、オーガニックが特別でなく、オーガニックを望む女性層が一般的に増加していることから、レストランに限らずマーケットは拡大しています。
Q8:オーガニックレストランは、すでにどのくらいあると考えていいのでしょうか?
A:残念ながら、数についてのデータはありません。現在は東京首都圏、大都市に集中していますが、地方でも増加傾向にあります。
Q9:オーガニックがこれからのトレンドになるような感じがしていますが、まだ不安なところもあります。何かオーガニックに関する調査資料のようなものはあるのでしょうか?
A:食については農水省から一部統計が発表されています。またIFORMジャパンのOMRプロジェクトチーム調査の『 OMR調査書』があります。オーガニックコットンについては、『オーガニックコットン含有率の表示ルールの調査事業』があります。
Q10:オーガニックに関する市場調査資料がある場合、誰でも購入できるのでしょうか?
A:『OMR調査書』は購入できますが、 『オーガニックコットン含有率の表示ルールの調査事業』は非売品です。農水省の資料はホームページなどから閲覧が可能です。
Q11:東京都内で代表的なオーガニックレストランを教えていただけないでしょうか?
A:青山・表参道エリアに集中している他、恵比寿・青葉台エリアがつづきます。詳しくは『オーガニックIタウン』サイトの「レストラン」ページをご参照ください。
Q12:今はレストランを経営していますが、これからオーガニックレストランを始める場合の注意点があれば教えてください。
A:現状ではすべての食材、調味料を100%オーガニックにすることは難易度が高すぎます。例えば野菜の場合、一年を通じて定番メニューとして提供できるサラダなどをオススメします。
Chapter3:オーガニック情報について
Q1:Bioホテルについて教えてください。
A:豊かな自然環境(地方)の中で、ホテルで出される食事と飲料はすべてがオーガニックで、できる限り地域の食材を使います。部屋の家具なども木製の自然素材であったり、壁も漆喰などアレルギーの人にもやさしいつくりになっています。子どものいる家族でもショートステイできる環境です。
Q2:海外ではBioホテルは数多くあるのでしょうか?
A:Bioホテルはヨーロッパで生まれました。その数はこの20年で大きく増え、現在も成長しているようです。日本では農家民宿が似ている形態です。
Q3:ニールズヤードなど海外のオーガニック化粧品にも基準はありますか?
A:ヨーロッパを中心に法制化が進んでいます。すでにドイツ、フランス、イタリア、イギリスではオーガニック認定が始まっています。日本は現在、検討され始めたところです。
Q4:今服飾デザインを勉強しています。オーガニックコットンを仕入れる方法を教えてください。
A:現在、年間約1,800tが輸入されています。そのうちの1,500tを大阪の紡績メーカーが仕入れています。ここから仕入れるのが最も安全でしょう。
Q5:「ダッカの霧」と呼ばれている究極のオーガニックコットンを入手する方法を教えてください。
A:エルメスからスカーフとなって発売されているはずです。原材料輸入は(Q4)にも登場した大阪の紡績メーカーだけが仕入れています。
Q6:経営しているレストランの食材を自家菜園(オーガニック)で提供したいと考えています。でも、畑がありません。近所の公共の1坪農園も空きがありません。何か方法があれば教えてください。
A:なるべく近隣で休耕地を探し、土地所有者と直接交渉するのが良いでしょう。
Q7:オーガニックのトレンド情報を入手したいのですが、どこか入手できるサイトがあれば教えてください?
A:残念ながら現在、トレンド情報を流せるオーガニック専門サイトは存在していません。
Q8:牛肉などの肉類でもオーガニックはあるのでしょうか?あれば入手方法を教えてください。
A:あります。しかしまだ数軒にすぎないのが現状です。
Q9:魚はどれも基本的にオーガニックという認識でいいのでしょうか?
A:魚にはオーガニック認証はありません。天然か養殖かの表示はされています。河川や海の汚染を考えると、オーガニックとは判断しにくいのではないでしょうか。
Q10:卵にもオーガニックはあるのでしょうか?あれば入手方法を教えてください。
A:あります。ただし数軒しかないので、直接連絡することをおすすめします。
Q11:オーガニック化粧品にも「有機JAS」マークはあるのでしょうか?国内メーカがあれば販売したいのですがありますか?
A:日本ではまだ化粧品に関しての有機認証は法制化されていません。しかし、すでに商品開発は国内メーカーでも進められていますし、信頼性とレベルの高い製品はあります。
Q12:オーガニックコットンにも「ウール100%」のようなマークはありますか?
A:あります。「GOTS」、「JOCA」、「NOC」などの機関が発行している表示マークです。
Chapter4:オーガニックビジネスについて
Q1:オーガニックのマーケットは拡大傾向になると考えられますか?
A:正確なマーケット規模データが把握されていなかったため、成長率等のデータはまだありませんが、農水省の格付け実績推移では生産量は増加しています。また、オーガニックコットンや化粧品など、幅広い分野で成長をつづけています。
Q2:オーガニック農業にチャレンジしたいと思っていますが、農地の確保など難しいのでしょうか?
A:新規就農者としてチャレンジする場合は、各都道府県、市町村で受入れシステムがあります。また民間企業が斡旋するシステムもあります。
Q3:オーガニック農業の場合は、種が輸入ものでもオーガニックになりますか?
A:今では種はそのほとんどが海外からの輸入です。種については、いろいろな問題、課題がありますが、現状、種の内容(種子消毒やF1、在来種など)についてはオーガニック上の基準は適用されていません。
Q4:耕作放棄されている畑を借りることは可能でしょうか?
A:土地の持ち主と直接交渉をして、賃貸条件が成立すれば可能です。また耕作放棄地を利用したレンタル菜園も全国各地にあります。
Q5:日本はオーガニック先進国といえるのでしょうか?
A:オーガニック(マーケットの規模)先進国は、アメリカ、ドイツ、イタリア、フランス、スイス、イギリスなどが挙げられます。日本はこれらの先進国から10年遅れといった評価が一般的で、先進国の仲間入りはまだ先のようです。
Q6:アメリカなどの大規模農園などの国でもオーガニックの野菜はありますか?
A:あります。
Q7:日本の農業は衰退するのでしょうか?その場合は有機農業はどうなりますか?
A:後継者不足、高齢化、耕作放棄地の増加など、衰退傾向が顕著です。その中で、有機農業家は高い確率(有機:60%、特栽:48%、慣行:17%)で後継者が育っています。有機農業は拡大するでしょう。
Q8:温暖化でも有機農業はできるのでしょうか?
A:できます。有機農業は植物が本来持っている力を地球からの恵みとともに栽培する方法であり、温暖化という地球環境の変化にも自然の持つ力で柔軟に対応する能力を持っています。
Q9:どうして海外のようにマルシェやファーマーズマーケットのようなビジネスが日本では盛んではないのでしょうか?
A:産地直売所は全国で盛んに展開されています。「道の駅」もそうです。これらはマルシェ、ファーマーズマーケットと同じモノと考えて良いでしょう。そのため日本も盛んであると言うことができます。
Q10:有機農業に取り組む若い方達はいますか。
A:有機農家の後継者に加え、農業とは関係のない若者の有機への就農が増加しています。
Q11:有機野菜や有機米にもブランドを付けて成功しているものはありますか?
A:あります。一般に広く知られているものはまだありませんが、個々に高い評価で人気を博しているブランドはあります。
Q12:無殺菌牛乳というのがあると聞きましたが無殺菌で牛乳が腐らないのでしょうか?その牛乳の名前を教えてください。
A:北海道で生産されている生乳で「想いやり生乳」といいます。日本で唯一、生のまま飲める牛乳です。一切加熱していないので、酵素や乳酸菌が生きているため、腐敗せず発酵します。