オーガニック
Organic のカタカナ表記で、日本語としても定着した言葉。食品であれば、環境に配慮し、土の力を利用して、化学合成農薬や化学肥料を使用しない栽培方法で生産された農産物、およびオーガニック原料を使用して、食品添加物を必要最小限に抑えた加工食品をいう。最近は食品に限らず、コットンや化粧品、さらには広がってライフスタイル全般にも、同じような趣旨で環境配慮、化学物質排除のものにオーガニックの言葉が使用される。
有機
オーガニックと同じ意味で使われる日本語。Organic の直訳も「有機(の)」と訳されている。
IFOAM[アイフォーム]
Internat ional Federat ion ofOrganic Agriculture Movements(国際有機農業運動連盟)世界のオーガニック関係のさまざまな団体が加盟する民間の非営利のオーガニック運動組織。1972年に設立。事務所はドイツのボンにある。オーガニックを広げるために、さまざまな農法の紹介や情報交換の場を設けたり、認証機関や政府機関との橋渡しのような活動をするなど、運動団体として展開している。IFOAM が作った基礎基準は、世界各国でつくられる有機認証基準のベースになっている。IFOAM 自体は認証機関ではない。
Bio Fach[ビオファッハ、ビオファ]
オーガニック製品専門の展示会。毎年2 月にドイツのニュールンベルグで開催されているが、現在は世界各地で開催されており、日本でも毎年秋に、Bio Fach Japanが開催されている。
自然食品店
オーガニック食品や、食品添加物の使用を避けた食品(これを一般に自然食品という)を主に取り扱っている商店。
オーガニックレストラン
オーガニック食材を使用したレストラン。日本では国の制度として2018年に「オーガニックレストラン有機料理提供JAS規格」認証が制定された。現在、全国に認証を受けたレストランが増えている。ただし、認証を取得していなくとも有機食材を使いオーガニックレストランとして営業しているお店は相当数存在している。
自給率[じきゅうりつ]
自らが調達できる率のこと。一般には、食糧自給率が知られており、国民の食べる食品のうち、国産品の占める比率をいう。この場合、重量ベース、金額ベース、カロリーベースの考え方があり、日本の食糧自給率はカロリーベースでの比率を採用している。油脂原料等カロリーの高い食品の輸入が多いため国内自給率は37%前後と低い。有機畜産物の生産で使用する「飼料自給率」は、与える飼料の全体量に対し、畜産農家が自ら栽培して得る飼料の重量ベーでの比率をいう。
植物無機栄養論
[しょくぶつむきえいようろん]
19 世紀のドイツの化学者リービッヒが提唱した植物の成長に関する理論。あらゆる植物の栄養源は腐植のような有機物ではなく、炭酸ガス、アンモニア(または硝酸)、水、リン酸、硫酸、ケイ酸、カルシウム、マグネシウム、カリウムなどの無機物質であるという考え。
沈黙の春
1962 年に出版されたレイチェル・カーソンの著書。DDT を始めとする農薬などの化学物質の危険性を、春に鳥達が鳴かなくなったという出来事を通し訴えた作品。環境問題の告発という大きな役割を果たし、環境運動に影響を与えた。
複合汚染[ふくごうおせん]
1974 年~ 75 年にかけて朝日新聞に掲載された有吉佐和子の長編小説。「複合汚染」とは、複数の汚染物質が混合することで、個々の汚染物質が単独の場合に与える被害の質、量の合計を超える相乗的な汚染結果があらわれることをいう。レイチェル・カーソン『沈黙の春』の「日本版」にも例えられる。